2017年8月31日木曜日

「聖書の基本原則」から

本校は2005年にこれまでの神学教育を見直し、C-BTEパラダイムに基づく神学教育・指導者育成のパラダイムに転換しました。しかし、本来の使命と働きである諸教会の次世代の指導者育成において、どれほどの実績があるのか、と問われます。パラダイム転換を決断し10年が過ぎています。その間、3.11東日本大震災に直面し、数年間、本業を脇に支援活動に励まなければならなかったことも確かですが、本格的な指導者育成のプログラム、リーダーシップシリーズの基本コースに取り組まれる方々は教派を越えて30名ほどです。教会の働きにおける大切な任務に就いておられるようですが、牧師、教会の教職になられた方々はそう多くないことも事実です。

次世代の指導者育成は聖徒の建て上げの延長線上に: 是非、C-BTEパラダイムに関心を持っておられる方々、教会建て上げ、次世代育成のために祈り、取り組まれている皆様にはC-BTEパラダイムにおける指導者育成の基本的な理解を共有していただければと思います。C-BTEパラダイム、その一つが「聖書の基本原則」を習得することから進められます。「聖書の基本原則とは何か」については項を改め記したいと思います。「聖書の基本原則」(基本原則シリーズⅠ~Ⅲ)は将来、教職者としての指導者を目指す、目指さないにかかわらず、すべてのクリスチャンが取り組む学び、クリスチャン人生建て上げの大切な取り組みです。そのクリスチャン建て上げの延長線上に次世代指導者の育成があります。

聖書の基本原則は神の家族、教会共同体の建て上げに直結する学びでもあります。それは学びのための学びではなく、個々のクリスチャン人生を建て上げる実際的な実を結ぶ学びとなっています。同時に主の宣教命令に直結する福音に基づく「良いわざ」と言われている生きた方の建て上げでもあります。つまり、聖書の基本原則シリーズは人格、仕事、隣人関係、家族等の建て上げに係わるものです。

基本原則シリーズでの取り組みは罪の本質、自己中心性を克服し、神の再創造の御業として教会内外において豊かな人間関係を築いていきます。神の家族である教会は人を建て上げる共同体であることを認識し、かつ実感していくようになります。それは必然的に教会は地域社会に積極的に貢献していく共同体として存在するようになるわけです。そのことが主の宣教大命令に応えていくことに直結しています。

こうした取り組み、聖書の基本原則に基づいた聖書理解に基づく牧師のメッセージはより効果的にクリスチャンひとりひとりに届いていくのではないでしょうか。

若い世代に有益な取り組み: もちろん、中高年の方々にとっても、次世代クリスチャン建て上げのために有益な学びでもあります。それ以上にC-BTEパラダイムは若い世代にこそ有益、有効な学び、訓練プログラムです。その時、人によっては賜物と主の召命に基づいて教会の次世代指導者として建て上げられる道が開かれます。ここに次世代指導者育成プログラム、リーダーシップシリーズを核とした「アンテオケスクール」が位置づけられています。ですからC-BTEパラダイムは聖書の基本原則シリーズにおいて挫折することなく、着実に進められことが肝心であることをご理解いただけると思います。しかも、ここには学校様式での教育にありがちな社会性のない指導者が決して建て上げられることはないのです。

神の家族、教会の建て上げ: もちろん、基本原則シリーズを取り組むクリスチャンがすべて教会の教職者へと進むわけではありません。指導者への道が開かれなかったからといって失望落胆しません。むしろその人の関わりの中で宣教の実、新しいクリスチャンの人生建て上げ、つまり神の家族、教会建て上げに貢献する役割を果たしていきます。もしかしたらその人たちの中から主の器として導かれる方も起こされるかもしれません。何より、神の家族共同体としての教会建て上げになくてはならない器になることは間違いありません。それぞれのいのちの交わりにある教会主体の神学教育はこのようにして実現していくのです。ぜひ、期待を込めて取り組んでみて下さい。また、互いに知恵を出し合って、この国で実を結ぶために励まし合って取り組むことができればと思います。

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